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交通事故における損害賠償と賠償金の計算方法について
目次
交通事故による損害は、大別すると財産的損害と精神的損害とに分かれ、財産的損害は①積極損害と②消極損害とに分けられます。積極損害とは、事故に遭ったために支出を必要とする損害をいい、消極損害とは、事故に遭わなければ本来得られたはずの収入(逸失利益)をいいます。
精神的損害とは、肉体的又は精神的な苦痛を被ったことを損害としてみる、一般に「慰謝料」と呼ばれるものです。
損害の区分 | 損害賠償の内容 |
---|---|
財産的損害(経済的損害) | ①積極損害(治療費、通院交通費、葬儀費用、付添看護費用、装具費用など) ②消極損害(休業損害、後遺症による逸失利益、死亡による逸失利益など) |
精神的損害 | 死亡慰謝料、後遺症慰謝料、傷害慰謝料、入院慰謝料など |
※ 逸失利益とは、交通事故に遭わなければ本来得られたはずの収入・利益をいいます。 |
損害賠償額の計算方法
交通事故の損害賠償額の計算方法は、基本的には次のようになります。
損害賠償額=(積極損害+消極損害+慰謝料)×過失割合−損益相殺 |
※ 過失割合とは、交通事故による当事者間の責任(過失・不注意)の割合をいい、被害者にも過失がある場合は、当事者間で損害を公平に分担するため、被害者の過失相当分を加害者の負担すべき損害賠償額から差し引く過失相殺がなされます。 ※ 損益相殺とは、交通事故の被害者がその事故が原因で何らかの利益を得、その得た利益が交通事故の損害の補填を目的とするものであることが明らかな場合に、その得た利益相当分を損害賠償額から差し引くことをいいます。 |
損害賠償請求権の時効期間は
自動車による人身又は物損事故が発生した場合には、「不法行為」として被害者は加害者に対して損害賠償を請求することができます。しかし、この損害賠償請求権は、いつまでも行使できる訳ではありません。
民法は、損害賠償請求権を行使せずに一定期間が過ぎれば、この権利は時効によって消滅するとする消滅時効の規定を設けています。その根拠は、たとえ正当な権利者であったとしても、一定の期間、その権利を行使・維持するために必要な措置を採らなかった者を保護する必要はないという考えによるものです(他説あり)。
消滅時効が完成していても、時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成を主張(時効の援用といいます。)しない限り、時効の効果は発生しないものとされています(民法第145条)。
時効の援用は、裁判でも主張することができますが、裁判外(内容証明郵便)でも主張することができます。
交通事故による損害賠償請求権の時効期間 | |
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損害の区分 | 時 効 期 間 |
物損事故 | 被害者又はその法定代理人が、交通事故の加害者及び損害を知った時の翌日から3年 |
人身事故 | 被害者又はその法定代理人が、交通事故の加害者及び損害を知った時の翌日から5年 |
ひき逃げなど | 不法行為(加害者が不明な場合など)の時から20年 |
※ 新しい民法が施行された2020年4月1日により前に発生した人身損害は、被害者が交通事故の加害者及び損害を知った時の翌日から3年の時効期間となります。ただし、同日時点で3年の時効期間が完成していなかったり、時効の中断により時効が完成していなかった場合は、5年となります。 ※ 物損は、3年で変更はありません。 |
民法(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条の二 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。
時効の起算点
損害の区分 | 時効の起算点 |
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傷 害 | 事故発生時又は治癒時の翌日 |
後遺障害 | 症状固定時の翌日 |
死 亡 | 死亡した日の翌日 |
物 損 | 事故発生時の翌日 |